臨床例5-アトピー性皮膚炎を精神疾患として治療 その2

難治性のアトピー性皮膚炎のペットをステロイドや免疫抑制剤で治療する、というのが西洋医学的なやり方です。

一方、ステロイドや免疫抑制剤の慢性使用が引き起こす免疫力の低下を危惧して、それにかわるべき役割を、漢方薬を使って、体質改善をはかるというのが、東洋医学をもとりいれた、治療法です。

しかし、体質改善では完全に治療できない皮膚病があります。それが、精神的な要因が引き起こす皮膚病です。そこで、精神的な要因引き起こす皮膚病の治療には、その病気だと認識することがとても大事な段階となります。(ただし、ステロイド治療下では、精神的な要因が引き起こす皮膚病でさえ、無理に抑えてしまいますので、その病気を見つけることは困難です)

猫のノルウェイジャンフォレストキャットのマリアちゃんは、8歳。耳の皮膚やアゴの皮膚のかゆみがなかなかなおらず、好酸球性肉芽腫症候群(猫のアトピー性皮膚炎)と診断され、毎日ステロイドをのんでかゆみをおさえていました。

ステロイドをこんなに続けて飲んでよいものか心配になり、来院されました。ステロイドを少しづつ減らしながら3週間かけてなくし、漢方薬で皮膚病を治療しました。かゆみも次第に減ったのですが、まだ時おりかくことがあるので、なかなかエリザベスカラーをとることができませんでした。

体質改善がほぼ終わったと考えられる3ヶ月後に、精神の皮膚に及ぼす影響を調べると、現時点では、精神的な要因のみの皮膚病であることが分かりました。飼い主さんも、マリアちゃんに心の問題があることを明確に認識できましたので、むやみに皮膚病のことを心配することはやめることができました。

このタイプの皮膚病の治療には、自律神経の興奮をおさえる漢方薬を補助的につかう方法があります。しかし、完全に治すには、飼い主さんと猫ちゃんが新しい関係をきずく必要あります。逆にいえば、良い関係を築き上げさえすれば、薬などなくても、このタイプの皮膚病は治ります。

しかし、飼い主さんが以前と同じような飼い方をし続ける場合は、なかなか完治は難しく、皮膚病用の漢方薬や、ひどい場合は、最小限のステロイド治療が必要になります。マリアちゃんの場合は、もう一匹の猫がいる関係で、なかなか完全に関係を変えることができないようですので、漢方薬は飲み続けてもらっています。しかし、ステロイドはもうすっかり止めています。


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