臨床例17-黄疸をひきおこす胆のう炎の漢方薬治療

若い動物では少ないのですが、年配の犬や猫で、ホルモン分泌の異常などにより、胆嚢(のう)炎をおこす子がまれにいます。

胆嚢が炎症をおこして腫れると、胆道を閉塞させて黄疸という症状をおこします。(エコー検査でも胆嚢の腫れていることを確認できます。) ただし、肝臓や膵臓の腫瘍や炎症でも黄疸は起こるので、黄疸の原因をよく考えて治療しないといけません。

普通は、まず点滴をして、抗生物質を注入して、黄疸が緩和するか様子をみます。しかし、腫瘍や、のう胞性の胆嚢炎の場合は、細菌感染が原因ではないので、抗生物質は効かないことが多く、黄疸はひきません。その場合は、外科的にその腫瘍もしくは胆嚢を摘出するかどうかを考えます。

外科的に上手にすべて摘出できれば、再発も防ぐことができますので、安心です。ただし、年をとった子のケースが多いので、手術の危険度も高く、手術をするかどうか、飼い主さんも迷うことも多いのが現状です。

ここで代替治療として、漢方薬で胆嚢の炎症を落とすという方法があります。(もちろん腫瘍のケースもあります)

アメリカンコッカースパニエルのななちゃんは10歳。急性の黄疸で、点滴、抗生物質で治療しても黄疸が緩和しませんでした。エコー検査による胆嚢の腫れは確認できたのですが、それ以外の腫瘍の可能性もあったため、岐阜大学で精密検査をしてもらいました。

そこで、のう胞性胆嚢炎と診断され、腫れた胆嚢組織の壊死の可能性もあったため外科的に胆嚢を摘出してもらいました。これで再発の可能性もなく安心です。精密検査でホルモン値に問題はなかったので、今は食事療法をしていますが、元気になりました。

ポメラニアンのウッディちゃんは10歳。黄疸で入院して点滴、抗生物質で治療をしましたが、黄疸が収まらず、エコー検査をして胆嚢の炎症を確認しました。そこで飼い主さんと話し合い、外科手術を勧めましたが、外科手術をしたくない、ということでしたので、漢方薬による治療で炎症をおさめることにしました。

すると、1週間で、黄疸も完全に収まり(ビリルビンも正常値になり)退院することができました。ただし、胆嚢組織が体のなかで壊死している可能性もゼロではなかったので、慎重にみていきましたが、6ヶ月たっても問題なく完治しました。


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