臨床例16-老齢犬猫の末期癌などの終末医療の漢方薬治療

猫のメイクーンのメイコちゃんは11歳。他院にて、8ヶ月ほど前に外科的に摘出した腹部の腫瘍が、病理検査により悪性の膿胞癌と診断されました。それから、腫瘍が腹部に再発しましたが、再度の外科手術や抗癌剤による治療を希望せず、代替治療として漢方薬治療を選択され、ハルペッツクリニックに来院されました。

来られた時には、腹部に2箇所、直径3cmほどの腫瘍があり、食欲も低下し、転移癌によるものと思われる軽度の肺炎を起こしている状態でした。漢方薬治療を始めてすぐに元気食欲は改善されました。しかし、腫瘍はそんなに小さくなるわけでもなく、大きさを維持したまま、食欲も元気もあるという状態で、半年ほど経過しました。

その後一ヶ月で、少しずつ身体が弱っていき、最後は食欲もなくなり、漢方薬も飲めなくなってからは、数日して、飼い主さんの前で、静かに息を引き取りました。

飼い主さんは、半年のあまりの間、メイコちゃんの生命の灯が少しづつ短くなるのを理解しながら、心の準備する時間をもち、精一杯メイコちゃんとすごせたことを、悔いなく思ってくれました。

末期癌の漢方薬治療のよいところは、きりぎりまで、食欲や元気が衰えることなく、ゆっくりとそして痛むことなく、終末を迎えることができる点にあると思います。

ゴールデンレトリーバーのチビタちゃんは11歳。首の皮膚のところにできた直径1.5cmの傷口が開いた出来物(血腫様の腫瘍)を抗生物質と漢方薬で治療しました。少し小さくなり、赤みも減りましたが、膿皮症のようには、完全に治ることはありませんでした。かゆみも落ち、症状がおちついていましたが、腫瘍の可能性もあるので、漢方薬は継続してもらっていました。

2ヶ月ほどたって、飼い主さんが、漢方薬を1週間飲ますのを忘れましたところ、一気に出来物の数が増え、元の出来物も大きくなってしまいました。そこで、すぐ外科的に元からある出来物を摘出して病理検査したところ、悪性リンパ腫(皮膚型)と診断されました。

すぐに前の漢方薬を増やして飲ませましたが、一度悪化した腫瘍は、もう抑えることができず、抗癌用の漢方薬で、できるだけ腫瘍の転移を防ぐという治療方針に変えました。ただし、皮膚型のリンパ腫には、身体中の皮膚に出来た腫瘍が、炎症を起こしてかゆみがでてしまうという、難点があります。ですから、漢方薬による皮膚病の治療も併用しなければならず、そのかゆみがかわいそうでした。

それから5ヶ月の間、漢方薬中心で治療し、食欲や元気はそのまま維持できていたのですが、やはり皮膚の腫瘍の数は、少しづつ増えていきました。その後半月の間に、足腰が弱りだし、血圧も元気も衰え、食欲も落ちて漢方薬も食べれなくなった4日後、飼い主さんの前で、静かに息を引き取りました。

まさにろうそくの灯が消えるような最後で、飼い主さんも痛がったり苦しんだりする姿をみることなく、心静かに、最後をみとどけることができました。

ステロイドや抗癌剤などの化学療法による終末療法には、最後、痛みがでることが多く、それを見ていられない飼い主さんから安楽死をしてくれと頼まれることが多いです。

でも、漢方薬による終末療法で、安楽死を頼まれたことはまだありません。静かに息を引き取る、もしくは、突然、すっと息を引き取ることが多いです。

その他の漢方薬による終末医療の利点は、入院させる治療ではないので、お家で、最期を看取ることができることです。


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