臨床例14-犬の悪性肥満細胞腫の漢方薬治療

皮膚にできる腫瘍で、犬猫に多いのが肥満細胞腫という腫瘍です。肥満細胞腫は悪性化すると身体全体に転移しやすく進行も早いので危険です。老齢の犬猫に多いことから、免疫力の低下と関係があるといわれていますが、そのはっきりした原因やメカニズムは分かっていません。

外科手術できちんと腫瘍を取除くことができればよいですが、多発して腫瘍ができていたり、悪性腫瘍化した肥満細胞が散在している可能性が高いため、手術も躊躇されることが多いです。

西洋医学では、ステロイド剤や抗癌剤で治療すると思います。が、年齢が高齢であることが多く、肥満細胞腫瘍の結果、ヒスタミンが過度に放出されて、胃腸の炎症や胃潰瘍などをおこすこのような症例では、そうした化学療法が、症状を悪化させてしまい、一気に身体が弱ってしまうという可能性も高いので、難しいです。

そこでハルペッツクリニックでは、漢方薬を用いて、免疫力をたかめて、肥満細胞腫の転移化悪性化を抑えるという方法をとっています。

ファラオファウンドのナイルちゃんは9歳。和歌山県の動物病院で肥満細胞腫のグレードI~IIと診断され、漢方薬治療をしに来院されました。漢方薬を飲み始めて2ヶ月後に、皮膚に新たに怪しい腫瘍ができたのですが、地元の病院で、局所麻酔下で炭酸ガスレーザーで取除くということを、してもらいました。そこで、もう少し漢方薬の量を増やして、飲み続けてもらっています。

漢方薬を飲み始めて、1年半たちましたが、腫瘍もできず、元気に食欲もあって、体調を維持しています。昨年に、おそらく老齢からくる脊椎症で、身体が痛んだことがありましたが、それ以外は、元気にやっております。このまま、肥満細胞腫が悪さをしないように、寿命まで、漢方薬を飲みつづけていこうと思います。

雑種のあいちゃんは12歳。他院の検査により肥満細胞腫と診断され、腫瘍も身体に多発してあるため、抗癌剤治療をすすめられましたが、漢方薬を試したいということでハルペッツクリニックに来院されました。

漢方薬治療をはじめて2ヶ月で、でん部の腫瘍は小さくなりましたが、なくなりはしませんでした。でも漢方薬を減らすとその腫瘍は大きくなるので、初めの量を継続して飲んでもらいました。一方、心臓も悪く、こちらの治療も始めねばならない状態でしたが、まずは漢方薬の効果を見たいということで、そちらの治療は後にしました。結局、漢方薬治療から遅れること2ヶ月して、心臓のお薬も飲まし始めてもらいました。

1年ほどの間、腫瘍は安定していましたが、心臓が悪化していき、先月、とても元気食欲のある状態だったのですが、おやつを食べたあと、ぽっくりと心不全により息をひきとりました。飼い主さんも、心臓のことはある程度覚悟されていましたし、苦しまずにすっと亡くなったことに満足してくれました。

末期癌で、腫瘍が全身に転移して、特に骨に転移して苦しむとか、胃潰瘍になって食欲がなくなって出血して苦しむようなことは見たくないので、末期癌の動物の終末医療として、漢方薬治療の長所がわかってもらえると思います。

亡くなる一ヶ月前のあいちゃん(後ろ足のふとももに腫瘍がみえる)


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